今回並みの豪雨対策に10年もかかる?

9月7日付で、国土交通省四国地方整備局と愛媛県の連名で、「肱川緊急治水対策」~再度災害防止に向けた対応~が出されています。

これを見ると、三段階になっています。まずは予備費で一部の河道掘削と樹木撤去。ダム操作規則変更。次におおむね5年で中下流部の堤防作成やかさ上げ、野村ダム下流の掘削など。そしておおむね10年で「平成30年7月豪雨時と同規模洪水を安全に流下させるために、更なる河川整備等を推進するとともに、山鳥坂ダムの整備を実施」。このほかソフト対策と書かれています。

(図は、肱川緊急治水対策及び気象庁資料によるコラージュ)

おおむね十年間は、「この夏の規模の洪水は起こらない」のでしょうか? 気象庁のデータを見てみます。1時間降水量50ミリ以上の年間発生件数は明らかに右上がりです。

短時間雨量がこれまでに経験していない雨量になるとの警報やニュースを私たちは幾度も見ています。こうした自然現象の劇的な変化のもとで、10年かかってようやく今回程度の雨量に対応というのでは間に合いません。

無堤防のところに堤防をつくる、低い堤防はかさ上げする、堤防の強化をはかる、溜まりに溜まった川の土砂を取り除く―これらのために予算をあてるべきです。山鳥坂ダムは凍結し、その予算は緊急治水対策に充当する。

真剣で熱意ある県の姿勢を示し、住民といっしょになって国を動かす。県政をこの方向に転換させなくてはなりません。